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差しこむ色は
ピンポーン
ドアをあけると、そこに立っていたのは、あの子だった
1年前に彼と出ていったはずの、あの子がリュックを背負って、
目の前に立っていた
どうして、
「帰ってきちゃった、」
固まる私に、あの子は、変わらない笑顔で笑った
どうして、
私は、あなたに、あなたたちに、ひどいことをしたのに
頭を埋めつくす、たくさんの疑問は驚きすぎて、声にならなかった
「だって、あの人は、私のお母さんじゃないんだもん」
どうやら、新しい生活がうまくいっていないらしい
「私のお母さんは、お母さんだけだから」
「少しの間だけでも、一緒にいたいの、絶対、邪魔はしないから、お願い」
ずるいよ、
そんなこと言われたら、入れないわけにいかないじゃない
「冷えるでしょう、入って。」
「いいの!?」
夜せまる、秋の夕暮れ、私は、少し背の高くなったあの子を部屋に招き入れた
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