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荷物を置いたさやかさんは、俺を描いている小学生の絵を褒めたり見回ったりしながら、必要そうなものを準備したり邪魔そうなものを片付けたりと父のアシスタントのようなことをしていた。
俺はというと、だんだん足を組んだままの姿勢がきつくなってきて、周りの小学生たちの視線や動き回る父やさやかさんは気にならなくなってきていた。
・・・動きたい。
思いっきり伸びをしたい。
そんな思いに駆られるが、少しでも動くと「動いた!」「人差し指の位置が変わってる!」などと、親の敵でも取ったかの如く細かいところを指摘されまくるので動かないことだけに集中する。・・・怖すぎるだろ、小学生。
そんな感じで父の絵画教室で出会ったのが、さやかさんだった。
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