71人が本棚に入れています
本棚に追加
/49ページ
「何か、食べましょうか」
俺も腹減りましたし。
言い訳みたいにそんなことを言った。もう少し一緒にいたくて、もう少し話したいなんていつもの俺なら思ったとしても絶対こんな行動しないのに、口からそんな言葉が出てしまった。
心臓が口から飛び出してきそうなくらいドキドキした。こんなこと言ったことなんてないから。
「ん・・・」
「焼きおにぎり、チンしますね」
さやかさんの返事を待たないまま、俺は立ち上がる。冷凍庫の焼きおにぎり。ここにいる理由はそれで十分だろ。
「皿借ります」
「え。いや、待って」
さやかさんの返事を待たないで立ち上がる。「遅いから」「家の人が心配するから」なんて言われたら一緒にいられなくなる。
台所に立つ。さて・・・と考えた。
・・・・・・皿は、どこだ?
最初のコメントを投稿しよう!