思い切なく

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志音と巳來は湊斗の背に、居酒屋で見た湊斗の怒声を思いだしていた。 私たちが外にいると志音と巳來の目には周が舞弥を肩から抱き寄せて、自分達に視線が向けられて尚更 背筋が伸びる。 「 湊斗くん、なに話してたの?」 「 なんでもない。ごめんな、送れなくて。ちゃんと帰れよ、寄り道ナシだ。メールもしろ 」 お兄ちゃんといい、湊斗くんといい 私も大人って忘れてない? 「 あの、俺が送るよ!」 「 巳來くん? いいよ、逆方向だもん。それに私、コンビニとか寄りたいし 」 「 舞弥、寄り道ナシって言っただろ!」 え~ コンビニくらいいいじゃん… 「 舞弥、巳來に送ってもらえ。お前んち外灯少ないから危ない 」 「 お兄ちゃん… 」 もう、ほんと… 甘やかしすぎ。 「 私、大丈夫だから!まっすぐ帰りますっ 」 そう言うと美月が慌てて私の腕を掴んで引っ張り、声を小さくして私に話す。 「 舞弥、送ってもらお!ね?周くんと湊斗くんが怒らないうちに… あの二人が機嫌悪いと講習会がやりにくいから… 」 美月…… 確かにあの二人が機嫌悪いと空気が重いかも。 「 わかった。美月が言うならそうする、だから講習会頑張ってね! 」 「 ありがと、舞弥~ 」 大したことではなくても、それぞれに事情や思いがある。 心配される私は恵まれているんだろう。 それも花の持ちあじ。 私は巳來に送ってもらうことにして、湊斗と周は安心して美月も一緒に出かけて行った。
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