思い切なく

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私はなんとなく周のことを話したくなった。 「 巳來くん、私ね、お兄ちゃんを最近まで お兄ちゃんって呼べなかったの 」 「 なんで?兄貴なのに?」 「 うん、周さんってずっと呼んでたの。お兄ちゃんだって 知らなかったし、お兄ちゃんって呼ぶのに慣れなくて… 」 「 え、ちょっ、ちょっと待った!話がちょっと… どういうわけ?」 あ、そっか、巳來くん知らないんだ… 混乱しちゃうかな? 「 ずっと離れて暮らしてたの、周さんが兄だなんて、それ以前に兄妹がいるなんて知らなかったの、だから私すごく大切にしてくれてて、甘いの。私が大好きみたいなんだ 」 「 いやぁ マジで… うん、そっか… でも、離れてたにしても周さんが舞弥ちゃんを大事にしてるのは 嫌ってくらいわかるよ 」 そうだね… 今はほんとに お兄ちゃんだと思う。 妹の私に甘い お兄ちゃん。 「 いい お兄ちゃんだよ、シスコンだけどね?」 「 言えてる~ 妹ラブの兄貴か… なんかいいね 」 巳來との話はアイスがなくなっても続いていた。 誰かとゆっくり話すのは 有里が仕事を休んでから忙しく、湊斗でさえ会話がままならない分、今が久しぶりに感じる。 巳來も志音同様 話しやすく、年下なため弟のように思える。 ずっと一人っ子だと思ってたのに、兄がいて、仕事仲間が弟のようで、私は幸せ者だ。 「 巳來くん、ごめんね、話してたらこんな時間になっちゃった 」 時計はもう10時半を回ろうとしていた。
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