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綾に彼氏がいることは聞いて知っていたが あえて言わないでいた。
「 彼氏は優しい？」
「 普通。特別イケメンじゃないし、なんか物足りないかも… 舞弥さんはいいよね？彼氏が湊斗さんだから 」
え… どういう意味？
「 いるだけで自慢になるもんね。舞弥さんが、羨ましいよ。巳來が、彼氏だった時は舞弥さんみたいだったのに… 」
綾さん、なんか 間違ってない？
「 綾さん、巳來くんがイケメンだから付き合ったの？」
「 そうだよ、もちろん好きだったってのもあるけど… 彼氏はカッコよくないと 」
「 巳來くんが かわいそう… 」
本心だった。
でも、その言葉に綾がカッとなった。
「 かわいそうって、それ どういう意味！」
えっ 私、怒らせた？
「 舞弥さんに何がわかるの？巳來が私をフッたんだよ！私がかわいそうじゃない！今まで 巳來のために見合うように頑張ってきたのは私だよ？なのに… 意味わかんないっ！」
「 それが間違ってただけ、落ち着いて綾さん。巳來くんは綾さんをちゃんと好きだったんだよ 」
「 舞弥さんに言われると腹が立つの！」
そんな…
「 舞弥ちゃん！ なに、どうした？」
「 志音くん… 」
「 ほらね、湊斗さんたちだけじゃなくて志音くんまで…そういうの腹立つの！ 」
そこに、巳來が騒ぎの中にいる私と綾を見つけ駆け寄る。
「 なにしてんの！？ 綾っ お前… 」
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