じたいはきゅうてんちょっか

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 余談ですが、そのころモンキーが売った桃のひとつを、さる有名な童話作家の先生が 「故郷を、思い出すな……」  そう言いながら買って、ついたまらず、その場でひとくちかじりました。 「……これは」  先生は口の端から滴り落ちた果汁にもかまわず、いつまでも、その場に立ちつくしておりました。 「これは……世界そのものか……」
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