2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「この剣は‥五ゴールドだ」
「ごごごごご‥五ゴールド!?」
思わず声が裏返ってしまった。
あまりにも安すぎる。
「おっさん!これは勇者が使ってた剣だぞ!?
魔王を倒す為に妖精が作ってくれた光の剣!
魔王の胸に突き刺して平和へ導いた、すごい剣なんだぞ!?」
「よくそんな貴重な剣を売ろうと思いましたね!?」
光の剣を売ろうとは俺自身も思わなかった。
金が無くて、追い詰められてしまったのだろう。
「勇者よ、おっさんを殺して金を奪えばよいではないか」
な‥に‥?
頭の中から声がする。
悪魔が金を奪えと囁いてるのだろうか。
確かに、そうすれば金が手に入る。
だが、殺してまで欲しいとは思わない。
「おっさん、やっぱり売るのはやめるよ」
「おお‥剣の価値を分かってくれたのだね」
「いや…安いから」
「そっち!?」
安い価格で相棒は売れない。
こいつは、そんな安い奴じゃないからな。
相棒を再び腰に身に付け、武器屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!