武器屋へ

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「この剣は‥五ゴールドだ」 「ごごごごご‥五ゴールド!?」 思わず声が裏返ってしまった。 あまりにも安すぎる。 「おっさん!これは勇者が使ってた剣だぞ!?  魔王を倒す為に妖精が作ってくれた光の剣!  魔王の胸に突き刺して平和へ導いた、すごい剣なんだぞ!?」 「よくそんな貴重な剣を売ろうと思いましたね!?」 光の剣を売ろうとは俺自身も思わなかった。 金が無くて、追い詰められてしまったのだろう。 「勇者よ、おっさんを殺して金を奪えばよいではないか」 な‥に‥? 頭の中から声がする。 悪魔が金を奪えと(ささや)いてるのだろうか。 確かに、そうすれば金が手に入る。 だが、殺してまで欲しいとは思わない。 「おっさん、やっぱり売るのはやめるよ」 「おお‥剣の価値を分かってくれたのだね」 「いや…安いから」 「そっち!?」 安い価格で相棒は売れない。 こいつは、そんな安い奴じゃないからな。 相棒を再び腰に身に付け、武器屋を後にした。
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