最大のピンチ

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「哀れだな勇者よ」 「な‥!」 剣から黒い(もや)が‥。 なんだ‥これは‥。 「油断したな勇者よ!  いや…元勇者か」 「これは‥一体何なんだ!?」 黒い靄が腕から体へ‥包まれていく。 振り払おうとしたが、指一本動かすことが出来ない。 「貴様が絶望するのを待っていたのだ。  まさか金が無くて絶望するとはな‥情けない」 「くっ‥」 何も言い返せない。 こんな屈辱を受けるとは‥。 「まさか‥お前は‥」 「そうだ‥お前に倒された魔王だ」 光の剣で消滅させたはず。 なんで、ここにいるんだ? 「消滅する前に、剣へ乗り移ったのだ。  魂だけをな」 「そんなことが‥」
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