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崩壊
同じクラスの門倉だ。
電撃移籍なんてしてくる者がいなければ
"間違いなくサッカー部主将になれる実力"
がある。
彼が立ち止まって少し俯いている
「別になにも」
門倉は鼻の下を人差し指で2、3回擦った後
少し上を向いて言った
「美穂を引っ捕まえて無理やりデートに誘ったんじゃないんか」
彼は黙って下を向いたままだ。
「やっぱりそうなんだろ。」
「美穂はな俺の俺の」
顔を耳先まで真っ赤に染めている。
「彼女なんだよ!」
去年の4月、告白された
酒井川沿いの満開の桜の木の前で
でもふった、だから…だから…
門倉の彼女になったはずは無い
「え、」
2人の声が重なった。
彼は門倉を凝視している。
「いや、そもそも俺佐山のこと好きじゃねぇーし」
肩から、いや体中から力が
抜けた
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