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夢を見た。
いつの間にか私は眠っていたようで目を開けると、お母さんがやっと起きたなんて言いながら夕飯の用意をしていて。
仕事から帰ってきたお父さんがお茶を飲みながらそれを見ていて。
あぁ、幸せだな。なんて感じた時だった。
ばしゃり。と頭に冷たい水がかけられたのは。
『…っつめた』
何事かと思って顔を上げて見ると、そこには黒髪で髪を後ろで高くひとつで結んでいて二重の大きな目の人がいた。
(うわぁ…イケメン…)
着物を着ていて腰には刀をさしている。
…ん?刀?
「おいお前。空から落ちてきたそうだな。どういうことか教えてもらおうか。」
そこで私は気づいた。
あれ、手と足縛られてる…しかも天井から吊るされている。
下には水の入った桶があって。これはまさか拷問、なのでは
『…あの、ここはどこですか?あと今日って何年何月何日ですか?』
あの女性が言っていたこと「幕末の精霊を助けて」が本当で、この男性が着物を着て刀を指しているということは…
「あ?お前何言ってんだ?今日は文久3年の4月10日だ。で、ここは壬生浪士組の屯所だ。」
ですよね。これ完全に幕末にタイムスリップしちゃったよね。
え、どうしようどうしよう。
壬生浪士組って確かあの有名な新撰組の事だよね。
文久3年の4月ってことはまだ「新撰組」にはなってないけど…
イケメンなのに鬼の様な顔をして拷問をしてくる男性はもしかして土方歳三なのかな。ほら、鬼の副長って言われてたし。
『すみません、私なんで空から落ちてきたんですか?』
さっき土方さん?に聞かれたけど私だって分からない。なら聞き返してやろう。
「は?わかんねぇのか?」
『…はい。気が付いたら空から落ちてきていて。ある男性が助けてくれたのは覚えているんですがそこから覚えてなくて』
きっと私が未来から来たと言っても信じてくれないと思うし、なにより大騒ぎになるだろう。
「わかんねぇってことはねぇだろ!さっさと吐け!」
土方さん?はそう言うと私の頬を少し刀で切った。
ピリリ、と痛みが走る。
こ、こいつぅぅぅ!!!!
『女の子の顔に傷付けるなんて武士ですかほんとに!』
そう怒鳴ると土方さん?はポカンと顔をして
「…は?女?」
と腑抜けた声が漏れた。
…え?気付いてなかったの?
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