O・N・E

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O・N・E

私は…ひとりぽっち。 そう…ずっと。 寂しくって…詰まらなくって…ずっと、そう、ずっと…。 だから、私は。 世界中のすべてのひとを、ひとりぽっちにして上げることに。 この寂しさを、この詰まらなさを…みんなに、そう…教えてあげることに。 恋人同士を。 お友達同士を。 お隣同士を。 親子を。 兄弟を。 姉妹を。 夫婦を。 先生と生徒を。 そんなようなすべてを…どちらか、片方だけにして上げることに。 けれど。 …きりが無い。 だって…片方を失ったもの同士が、また、つながってしまうのだもの。 それでも。 私は…続ける。 つながるのなら…片方を、無いものにする。 また、つながるのなら…また、片方を。 でも…それだと。 ずっと、ずっと…それを繰り返したのなら…その終わりとは…? 最後のひとりとなる、そのだれかは…この私と、つながることに…? が。 私としては…すべてのひとを、ひとりぽっちにしないことには…。 すべてのひとへと、この寂しさを、この詰まらなさを…教えて上げるのでなければ…。 だから…私は、続けて。 また、続けて。 さらに…続けて。 そして。 ようやく…最後のひとり。 と…言うことは。 このひとは…この私を、失うのでなければ。 なぜなら…そうならないことには、この寂しさを、この詰まらなさを、このひとは、知ることが出来ないのであるのだもの。 仕方が無いので。 私は…そのように。 【fin】
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