【現在・◯年七月□日】

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「◯◯。お前、変わりはないのか」  ぎちり、と私の心臓を締めつける蔓。 「ええ、おかげさまで。  お父さん。お父さんの誕生日祝いで、私とっても奮発したのよ。楽しんで欲しいわ」  小洒落たレストランのテーブル。  向かい合わせに座った()に、私は微笑む。 「このお店、凄く美味しいって、会社でも評判なの。雰囲気も素敵だわ。  ほら、お父さんが好きな魚。脂がのっていて美味しい。食べて」  香草とオリーブオイルで飾られた白身魚。  フォークで突き刺し、()の口に運ぶ。 「……美味い」  「でしょう。うふふ。お父さん。美味しいものを食べている時の顔が、素敵だわ」  ぎちり、ぎちりと、私の心臓を蔓が締めつける。
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