【現在・◯年七月□日】

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 ()は、おおいに食べ、飲み、笑った。  元々、酒に弱い人だ。  バースデーケーキが登場した頃には、上機嫌でシャンパングラスを傾けていた。 「お父さん。酔い冷ましに、少し外を歩かない?」  私はさりげなく()と腕を組み、店を出る。     ショーウィンドウに映る、私と()。  飾られたマネキンと同じく、仲睦まじい一組の男女(恋人)。  すれ違う他の恋人達にも、なんら引けを取らない。  下界を見守る月が、私達を包み込む。  (あの女)には、燻った陰しか与えなかった月が。  私と父(本物の愛)には、煌々と輝く祝福の光を与える。
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