episode257 毒が回る時

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「ひとまず保留ってことで――どうですかね?」 事がそんなに重要でないように見せかけるため 僕は冗談めかして上目づかいに笑って見せる。 「保留?」 「そう。次に庭の花を食べるようなことがあったら、僕自分でちゃんと2人に申告しますから。それでお医者様にもちゃんと見てもらうの。療養が必要な病気ならそれもちゃんと。ね?」 僕が本気で言ってるとはさすがに思っちゃいないだろう。 けど――そんなもんかと思ってくれたらしめたものだ。 案の定薫は 「俺だって面倒事しょい込みたくはないさ」 踵を返してドアノブに手をかけた。 でも一度だけこちらを振り向くと。 「でもいいか、最悪の事態が起こる前に解決しろよ」 同情を孕んだ目で 近い未来を予測するかのように言った。
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