episode257 毒が回る時

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ベッドまで運ばれて ワインで汚れたシャツを脱がされた所までは記憶があった。 あとは微睡み——。 「しょうがない奴だな」 征司が呆れ気味に零す愚痴と。 「俺も馬鹿だな。飲ませ過ぎた」 ふうん。 この人でも反省することがあるのか——って。 そう思いながら 何度か愛し気に僕の髪を梳いた指の感触は覚えている。 それでももう瞼を上げられなかった。 深い闇に落ちてゆく意識を追いかけるように 僕は微睡み——。 しかし訪れたのは決して穏やかな眠りではなかった。 意識のもっと深いところは やはり形のない渇望に苛まれていて。 僕は征司が眠りに着く頃を見計らい。 やはり誘われるようにふらふらと夜の庭に出た。
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