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「別にどこにも……」
僕は何食わぬ顔でガウンを脱ぎ捨てると
征司の隣に横たわる。
「嘘つけ——しばらく前からいなかっただろ?」
すぐに裸の腕が伸びてきて汗ばんだ僕の身体を抱いた。
「そんなこと……」
固い筋肉に身体を沿わせ僕は頭を振る。
「分かったぞ」
「ンッ……」
征司は汗ばんだ僕の首筋に強引に舌を這わせると。
耳元にイヤらしく囁いた。
「足りなくて一人でしてきたのか?」
「違っ……!」
「だったらどうした?こんなに汗をかいて——」
乱れ髪をかき上げながら
王様はからかうように笑う。
「言えよ。足りなかったなら満足させてやるから」
それから威張った子供みたいに言った。
「俺とするのが一番だろ?ん?」
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