43人が本棚に入れています
本棚に追加
気のせいだろうか――。
征司の無邪気さがどこか芝居がかって見えるのは。
「お兄様……」
「ん?」
「お兄様は僕の事なら何でもお見通しなの?」
ベッドにうつぶせになると
「そうだな」
征司の手が八の字を描くように背中を這う。
「知っているようで知らないのか――見えていて見えないフリをしてるのか」
声色は軽い。
ただ熱を帯びる身体に反してどこか冷たく感じる。
「ただしおまえの身体の事なら知り尽くしてる」
「ンッ……」
征司の手は双丘の膨らみに下り
秘部にそっと指を滑らせた。
「それじゃあ……」
それじゃあ心は?
聞く前に——。
「いいだろ?そんなこと——」
征司は背後から覆い被さり
強引な角度で僕の顎を引く。
最初のコメントを投稿しよう!