episode257 毒が回る時

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気のせいだろうか――。 征司の無邪気さがどこか芝居がかって見えるのは。 「お兄様……」 「ん?」 「お兄様は僕の事なら何でもお見通しなの?」 ベッドにうつぶせになると 「そうだな」 征司の手が八の字を描くように背中を這う。 「知っているようで知らないのか――見えていて見えないフリをしてるのか」 声色は軽い。 ただ熱を帯びる身体に反してどこか冷たく感じる。 「ただしおまえの身体の事なら知り尽くしてる」 「ンッ……」 征司の手は双丘の膨らみに下り 秘部にそっと指を滑らせた。 「それじゃあ……」 それじゃあ心は? 聞く前に——。 「いいだろ?そんなこと——」 征司は背後から覆い被さり 強引な角度で僕の顎を引く。
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