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あの子がいなくなった。
明日はきっと、あの子がいなくなるだろう。
刻一刻と僕の番が近づいてくる。
両親は今日も来てくれて、防護服越しに僕の手を握り、アクリル板越しに涙を流す。
「大丈夫だ。お前なら乗り越えられる」
「諦めちゃダメよ。帰ってきたら何食べたいか考えておいてね」
「わかっているよ」
たわいもない話をしてから、お決まりとなった文句を残して去っていく。
その後ろ姿を見送るのが日に日に辛くなっていく。
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