それは叶わない夢。

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草薙。好きだ。 でも、どんなに思っても俺の思いは届かない。 だって、草薙には皆も認める好きな人がいる。 そいつの名前は柳瀬 瑠夏(やなせ るか)。 草薙に負けず劣らずの美形で、男、だ。 これが女だったら諦められる気がしてたのに。よりにもよって自分と同じ男だなんて。 染めた明るい赤茶の髪、切れ長の目。 色気溢れる雄のオーラ。 そんな柳瀬は、俺の親友だった。 高校に入りたての頃、何故か意気投合して気づいたら一緒にいた。 この学年は、顔面偏差値で友達とか決めたりしないから普通に楽しかった。 だけど。 ある日に俺は聞いてしまった。 草薙が柳瀬に告白していたのを。 ーー柳瀬は、好きな人がいると断っていたから内心ホッとした。 だけど、次の日草薙は皆の前で堂々と、柳瀬が好きだと言い放った。 これで柳瀬は逃げられないし、草薙は堂々とアピールできるし、邪魔は入らないだろう。 俺は、絶望した。
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