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君のせいだ
君のせいだ。君のせいで私は今、こんな状態になってしまったのだ。
私は今、天国へ向かって垂直に落ちている。あと数秒もすれば私はただのタンパク質に成り下がってしまう。
全部全部、君のせいだ。君がいなければ、私は焼け野原を一人で彷徨う放浪者であり続けることができた。それなのに君は、この誰もいない焼け野原から私を連れ出し、私に夢を与えた。
天国に移る影が少しずつ伸びていく――影の面積がゆっくりと広くなってゆく。
楽しいことが一つもない世界に隕石を降らした結果、私の人生は焼け野原になった。そして、その焼け野原から私を連れ出したのが君だった。それなのに君はどこか遠くへ行ってしまった。
髪が風に煽られて乱れ、野次馬が騒ぎ、空は青い顔をして私を見下ろす。
君のいない世界で大人になっても意味がない。君のいる世界にこそ、私の存在意義があり、私という一人の人間が生きていける世界なのだ。だから今、私は君を追いかけて、君がいると思われる場所へ向かっている。
クレーターに水を入れて、水遊びしてみたかった。引力で君と離れることのない生活をしてみたかった。
君のせいだ。君のせいで私は幸せを知り、幸せがないと生きていけない体になってしまった。君のせいで私はこうなってしまったのだ。今度会った時は、黙って抱いてくれなきゃ許さないんだから......。
私は強い衝撃と共に空へ溶け去った。
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