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氷姫こと、氷童姫花。
一体、何故彼女がここにいるのか、不可解な点がいくつかあるが、ここに集まったのは俺を合わせて五人という事だ。おそらく、彼らは俺と同じようにこの場に集められた人間なのだろう。
時間まで残り十分。すると、もう一人、この教室にやって来る。
「す、すみません。し、失礼します!」
時間ギリギリに滑り込んでもう一人女子生徒がやってきた。合計でこの場にいるのは六人。もう、時間的にこの人数で確定したと言ってもいいだろう。俺以外に男子三人、女子三人。バランス的には、丁度いい。そして、この六人の共通点を挙げるとするならば、この手紙を受け取った事と記憶が書き換えられていない事。この二つだろう。まだ、確認はしてないが俺の推理はあっているはずだ。
六人全員は、一言も話さずに時間になるのを待つ。
ジリジリジリジリジリジリジリ−−−−
時間と同時に時計が鳴り出す。そして、目の前にあるパソコンが勝手に起動し始めた。
俺はパソコンに表示される文字に注目する。
X:ここに六人全員が残っているはず。
俺はパソコンの目の前に座り、謎のXと名乗る人物からのメールを読み、返答を返す。
『いる。あんたは一体何者だ』
X:ここに集まってもらったのは気づいているだろうか。
俺の質問を無視するらしい。
『俺の質問は無視か?』
X:さて、話を本題に移そう。
くそ、これじゃあ、話し合いにならねぇーじゃないか。
「退いて、私がするわ」
と、俺からマウスとキーボードを奪ったのは氷童だった。俺よりも遥かに早いタイピングで文字を打って行く。
『本題とは?』
X:気づいているが、この世界は今までに見た事がない現象が起こっている。
「記憶と人が変わった事か?」
俺はつい、言葉を漏らしてしまう。
『それは起こるはずのない事が起こってしまったって事?』
氷童は俺の言葉を聞き漏らさずにそのまま自分の言葉で返信した。
X:そうだ。これは君達の世界でこの現象は起こるはずのない現象。これから先も起こるだろう。
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