失敗は成功そのものである

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 Kくんは、Yちゃんにラブレターを書こうとして、失敗しては、書き直し、失敗しては、書き直しを繰り返した。  Yちゃんもまた、Kくんにラブレターを書こうとして、失敗しては、書き直し、失敗しては、書き直しを繰り返した。  そんな状態がいつまでも続いていた。  私は、KくんともYちゃんとも友達で、二人のしていることを知っていたから、本当にもどかしくって、もどかしくって、しょうがなかった。   私は、Kくんのゴミ箱から、Yちゃんのゴミ箱から、それぞれ「失敗したラブレター」を盗んで、代わりに届けてあけた。  次の日、二人は手をつないで歩いていた。  なんというか、ラブレターは、「好きだ」っていう気持ちさえ伝われば、細かいことは何でもいいと思う。  だから、こんな小説もたぶん「失敗」だけど、細かいことはいいのである(笑)。
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