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バレー部ということもあって遼太は背が高く、室内競技らしく肌の色も白い。白さでいえば圭も劣ってはいないが、どうも不健康さが前面に出ていて、白いのか体調が悪くて青白いのか判断がつきかねる。手足、首、胸板、腰、全てにおいて細く平らなことが余計に拍車をかけていた。
「いつも岡と一緒だからいいよ。今日は休みだけど、とりあえず今日は一人でするから大丈夫」
圭は悩むこともなく、顔色一つ変えずにそう答えた。
岡利人(おかりひと)は圭と同じくスクールカースト最下層といえるが、二人ともよくクラスで余ってしまうので、必然的に行動を共にすることが多くなっていた。
利人は、小柄なぽっちゃりメガネ。ただ、圭より優れているのはその身体能力。中学生のころに野球をやっていただけあって、運動神経は圭よりずっと上だった。
誘われたのはさすがに驚いたが、遼太だけならともかく、その友人たちにまで気を使われると思うと頭痛がする。
クラスで二人から六人のグループを作らなければいけなかったが、圭はもちろん余り組。たまたま利人が休んでいたせいで、こんな珍事が起きてしまったのだ。
それからだった。遼太はことあるごとにやたらと圭に絡んでくるようになった。
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