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Epilogue
じりじりと照りつける日差しがやわらぎ、涼しさを感じるようになってきたある日。夜になってファミレスへ行くと、
「いらっしゃいませ!」
紗羽が笑顔で迎えてくれた。彼女は少しずつだが、再びこの場所で働いていた。
この前のこともあり、帰りは俺が家まで送っていく。
「東雲さん、雑誌買いましたよ~! 今度サインしてください!」
「え? サインはまだ早いよ!」と笑い楽しく話していると、不意に紗羽が頬を赤らめ、
「あ、あの……手、繋いでもいいですか?」
と尋ねてきた。
俺はふっと口元を緩め、「そんなこと聞かなくていいよ」と彼女の手を取る。
紗羽ははにかんで笑い、手をぎゅっと握り返してきた。
「東雲さん……大好きです」
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