Epilogue

1/1
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

Epilogue

 じりじりと照りつける日差しがやわらぎ、涼しさを感じるようになってきたある日。夜になってファミレスへ行くと、 「いらっしゃいませ!」  紗羽が笑顔で迎えてくれた。彼女は少しずつだが、再びこの場所で働いていた。  この前のこともあり、帰りは俺が家まで送っていく。 「東雲さん、雑誌買いましたよ~! 今度サインしてください!」 「え? サインはまだ早いよ!」と笑い楽しく話していると、不意に紗羽が頬を赤らめ、 「あ、あの……手、繋いでもいいですか?」  と尋ねてきた。  俺はふっと口元を緩め、「そんなこと聞かなくていいよ」と彼女の手を取る。  紗羽ははにかんで笑い、手をぎゅっと握り返してきた。 「東雲さん……大好きです」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!