王妃たち

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マリー様も今まで声もかけられることのなかったカトリーヌ様に声をかけられ、仲良くなろうとしてみてくださって。 つんつんお姫様、カトリーヌ様はマリー様にも最初は打ち解けられることなんてなく。 マリー様は頬をひきつらせながらも、オリビエ様の第1夫人という立場でカトリーヌ様を丸められていった。 ただ、そうすると今度はオリビエ様の悪口大会となり。 御者のジャックさんはかっこいいと気を合わせられ。 まるで親友のようになられたはいいものの、婿様はオリビエ様ですよーと言いたくなるようなことになった。 オリビエ様はそれを承知のようで、そこにはあえてなにも仰ることもなく、仲良くしてるならいいということにされた。 私がもしもオリビエ様に嫁いだ姫様なら。 ジャックさんよりオリビエ様がいい。 なんて言っても、なんの慰めにもなりそうにない。 あと、カトリーヌ様がいらっしゃって、マリー様と譲り合われるから、オリビエ様には夜のお世話をする侍女がついた。 そこならオリビエ様に手を出されるかもしれないという位置。 ついたのはお母様といえそうなおばさん侍女で。 オリビエ様にはなんにも面白くない人生となっていそうなことに、オリビエ様を慕ってくれるような可愛い姫様がもう一人くらい嫁にきてほしかった。 そのお話があがったと思ったら。 王様が体調を崩され、病に伏せがちになられて、とてもおめでたいムードでもなく城内はそろそろかという王位継承のお話になっていった。 よって、新しいお妃様を迎えるための侍女の教育というお話もなく。 どこかどんよりとした空気の毎日が繰り返され。 めずらしく私がオリビエ様のお茶を運ばせていただいていたときだった。 オリビエ様はなにかを感じられたように立ち上がられ、部屋を出ていかれた。 私とそこにいたロベールさんは顔を見合せ、何事かとオリビエ様についていってみた。 オリビエ様はまっすぐに王様の住居となっている城の中心の屋敷に向かわれた。 屋敷の入り口からは私やロベールさんは入れない。 王様のご家族のお世話はしても、許可がないと王様に近寄ることはできない。 お茶が冷める…なんて思いながら、オリビエ様を待ちぼうけ。 オリビエ様は出てこられることもなく。 王様崩御という報せが王様の従者によって知らされた。 オリビエ様が即位されることとなる。
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