*美鈴おこ*

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*美鈴おこ*

「ツクモ━━━」  リビングのソファに手をつきながら美鈴はツクモを探す。 「美鈴ちゃーん。ツクモ寝てるー」  美鈴が声のする二階へ目をやると、ラフにシャツを羽織ったアキラがいた。 「アキラさん。ん?ん―?その部屋・・」 「アキラさん!!ソレ止めてって、私前に言ったよねえ?」 「あ、待って美鈴ちゃん。カミナリの前にコーヒー飲もう?」 ぶすーっとした顔でコーヒーに口をつける美鈴。 困惑顔のアキラ。 「ねえ美鈴ちゃん、何かあった?昨日のツクモ様子がおかしかったんだけど」  眉尻を思い切り上げ、侮蔑した目でアキラを見ながら口を開く。 「たぶん、大事にしたいものに傷をつけたと思っているのよ」 「触れるのにも躊躇していた大事なものにね」 「ふーん。俺と扱いは正反対なわけね」 「アキラさんと肌を合わせる理由は知っているでしょう?」 「まあね。聞かされましたし。どうせ俺たちの間に特別な感情なんてないし」 「ツクモはどうしたらいいかわからないのよ。人を好きになるっていう事が。 ずっと蓋をしてきた感情だもの」 「だからもう一度人を好きになるってことを思い出してほしいの。 幸せだって体で感じて欲しい」 「ふーん。で、その子猫ちゃんはどこの子?」 「教えないわよ。アキラさん、すぐツクモをいじめるから」
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