*少しだけあたためてあげて*②

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*少しだけあたためてあげて*②

「私ねえアオイくんの事、好きよ」 「えっ・・あ、ありがとうございます」  突然の告白に戸惑うアオイ。 「そしてツクモも多分アオイくんの事が好き」 「え?」  え、なに?胸が熱い・・。 「きっと私以上にアオイくんの事が好き。とても大切」 『絶対いま俺顔が赤いんだろうなあ』  ずっとうつむいたままのアオイ。 「だからアオイくんに近づくのが怖いのよ」 「怖い?」 「もしもアオイくんに拒絶されたら、ツクモ壊れるわ。そんなことが起こらないように仕事がらみでしかないけれど、私や十夜君がそばにいるの。私たちね、大学の同期なのよ。だからずっとツクモを見てきた。だからわかるの」 「壊れるって?」 「ふふっ。今日はこれでおしまーい」  笑顔で美鈴が口に指をあてる。 「わたしもツクモも山切先生にはお世話になっているし、尊敬している。 だからそれを裏切ることはしたくない」 「でも私はツクモにも幸せになって欲しいのよ」 くるりと美鈴がアオイの方を向いて、 「ね、お願い。ツクモの事嫌いにならないで」 「はい・・でも泉守先生はツクモさんの恋人じゃあないんですか?」 「やだーやめてよ。あんな駄々っ子。ただの保護者よ、保護者!」 カラカラと笑いながら美鈴がアオイの肩を叩く。 「うわっ!」 『じゃあ今ツクモさん恋人いないんだ・・って何?その考え』 アオイは美鈴と別れた後、一人で家に向かいながら、 「ツクモさんの事は嫌いじゃないけど、でもなにしてあげればいいんだろう」
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