*天使の差し入れ*

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*天使の差し入れ*

「うー。まだちょっと寒いな」 春も、もうすぐ終わりツクモも薄いパーカー一枚だが心の底が冷たかった。 「・・・」 小さい声で何かをつぶやく。 家に戻りリビングの長ソファにバフッと身を落とす。 足をソファのひじ掛けに置きブラブラさせながら。 「あー、今日アキラ当直か・・」 ピンポーン。チャイムが鳴る。 ツクモは飛び起き鏡で髪を整え玄関を開ける。そこには少し茶色い髪の男子高校生がいた。 「こんにちは。アオイくん」 「こ、こんにちは。ツクモさん」 少年の方は少し緊張しているようだった。 「これ、サンドイッチなんですけど、もしよろしかったら・・」 「うん。アオイくんのお母さんのサンドイッチはおいしいからね。是非いただくよ。でもどうして俺がいるってわかったの?」 「あ、ち、父が病院から連絡をもらったみたいで・・」 『みーすーずーちゃーん』 「うん。気を使ってもらってうれしい。お母さんにもお礼を言っておいて」 ポンポンと少年の頭をたたき、 「ありがとうね」 「はい。お仕事頑張ってください」 少年が帰るのを笑顔で見送る。 「あー。マジ天使。美鈴ちゃん生殺しですわ~」
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