敬老の日

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

敬老の日

「もうすぐ、敬老の日だな~……」  立呑屋(たちのみや)を出て、ほろ酔い。駅へと向かう月明かりの下で、僕は、ふと、田舎の祖父母が恋しくなった。 「ここ数年、忙し過ぎて、田舎のじいちゃん・ばあちゃんの顔、長いこと見に帰れてねぇ~な~……」  ご無沙汰している祖父母に申し訳なく、僕は、フラリフラリと歩きながら、少し目頭が熱くなった。 「今年の敬老の日は、久しぶりに、じいちゃん・ばあちゃんの顔を見に、田舎へ(けえ)ろう!」  駅に着いた。  電車が来るまで、まだ、少し時間がある。 「すいませ~ん!」 「はい、いらっしゃいませ~!」 「いらっしゃいました~♪」  うわぁ~、面倒(めんど)くせぇ~客って思われちゃったかな~、アハハ~……、後の祭り。 「チョコ一つお願いします」 「はいっ! ありがとうございます! 少々お待ち下さいませ~!」  田舎に帰る前に、今は、とりあえず、祖父母じゃなくて、ソフトだ!  「飲んだ後のソフトクリーム、あ~……、美味ちい♪」
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!