第1章

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それから数分後、成都とアベルは甘味処で三食団子と抹茶を口にしながら会話していた。 二人は甘味処の席(陶器を思わせる紅色の木製のテーブルとイス。)に座っている。 甘味処はもう初夏の時期だということもあって、メニューにはかき氷など冷たいスイーツもある。ただ、今の天気は雨上がりの曇りで晴れていないからなのか、かき氷などはあまり売れていない。 今日の甘味処は客が少なく、閑散としている。 「へぇ…君、和菓子屋の息子なんだ。」 「ええ…はい。」 このとき、成都とアベルは互いの家庭の事情について話していた。 「僕も実家はスイーツの店なんだ。だから、甘いものには昔から興味があるよ。」 「そうなんですね。」 まさか成都はアベルと家庭のことまで似てるとは思わなかった。 しかし、アベルはどう見ても育ちが良さそうな少年だ。成都のように父親から虐待を受けてるようには見えないのでそこの事情は流石に違うだろう…と、成都は思っていた。 成都はこの目の前の今日初めて会ったばかりの同級生と話していると、何故か安心している自分がいることに気づいた。
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