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 ドラゴンはヘビには嫉妬深く意地悪なところがあるのはわかってしましたが、自分のご主人様が軽くみられていることは面白くないと感じました。そこで、南の森の様子を見に行こうと思いました。  ドラゴンは南の森のオアシスに出掛けました。彼の主人である、大地の女神・ガイア様が手間ひまかけて創った、とても豊かな森で、さまざまな動物が棲んでいます。  まずは、狼と猿に話をきいてみました。 「おい、オリオンという巨人を知っているか」 「もちろんよ。とっても美しいわ」 「謙虚で慈悲深く、ユーモアのある方よ」  ドラゴンは頭を捻りました。そういえば、ヘビは、オリオンは女共を騙しはべらしていると言っている。となると、女の狼や猿に話をきいても仕方がないということだ。つまり、真実は、自分の目で確かめなければならないわけだ。それで、ドラゴンはまずはそっと様子を伺ってみようと思いました。    オリオンは、ふだん見慣れない大物が森に現れたのを感じました。先ほど見栄をきった手前、大物を仕留めたいと思い、ドラゴンを見つけるとに戦いを挑みました。  ドラゴンの方も、自分こそが最も強い動物だと思っていますから、戦いを拒みませんでした。オリオンとドラゴンはそれは素晴らしい戦いをしたので、南の森は大いに盛り上がりました。
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