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 その頃、ヘビはドラゴンのご主人様である、大地の女神・ガイア様のところにいました。ガイア様はヘビを見て怪訝な顔をしました。本来は、ヘビのような下賎な生き物は大地の女神のところに行ってはいけないのです。 「大変、失礼いたします。ガイア様。その、我が主人、ドラゴン様のことで、至急、お伝えしたいことがございます。その、発言を許していただけますでしょうか」 「許す」 「大変にありがとうございます。その、ご主人様は、賊を討伐するために南の森に出掛けておりまして、その賊というのが凶悪でありますものですから、私めは心配で…」  そんな話をしていると、ドラゴンが怪我をして帰ってきました。ドラゴンは、オリオンとのケンカが楽しくって、夢中になっていたのです。  ガイア様は自分の家来が怪我をさせられたのをみて、カンカンに怒りました。ドラゴンは釈明をしようと思いましたが、一度怒ったガイア様は、人の話を聞きません。 「もう許せん、そのオリオンとやら、始末せねばならぬ」 ガイア様はペットのサソリを呼びました。 「はい!仰せのままに」  ヘビは自分の順番を待ちましたが、ガイア様はヘビに下がれというだけでした。ヘビは、ガイア様から仕事を与えられず、残念に思いました。 そういうわけで、サソリはオリオンを退治することになったのです。
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