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 サソリはとっても大変な仕事だと思いましたが、ガイア様の手前、断ることはできません。なにせ、ガイア様は、美の女神ヴィーナスより美しく、愛の女神アフロディーテより愛らしく、そして、怒ったときは、黄泉の国の神ヘラよりも恐ろしいのです。 しかし、オリオンはいつも森のオアシスで仲間と一緒にいるので、とても手が出せません。  そこで砂漠のアリジゴクに相談してみました。 「まずはおびき出さないといけないね」  そこでサソリはオリオンを海のそばまでおびき出すことにしました。背水の陣という言葉がありますから、海のそばならば逃げ場もなく、ちょうどいいと思ったのです。  しかしどうやっておびきだしましょうか。ラクダに相談してみました。 「人は食べるものがなくなったら、食べ物を求めて移動するものさ」  それで、友人のライオンにお願いして、オリオンに次のように言ってもらうことにしました。サソリだとどうしても警戒されますからね。 「オリオン様、大変に恐縮ながら申し上げます。あなた様の狩りの腕が大変に良いもので、それで、森の獲物が少なくなってきております。そこで、例えば、海の方にご移動なすってはくださいませんでしょうか。よもや、狩りの名人が魚は捕れぬというわけではありますまい」  ウサギや鹿は一生懸命にオリオンをひきとめましたが、森に迷惑はかけられないと言って、オリオンは海へと旅立ち、漁師になりました。
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