最終話 青×春

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最終話 青×春

俺達はとりあえず先日行ったファミレスへ向かった。 俺達がファミレスへ入店すると夕飯時ともあり店内は家族連れなどで賑わっている。俺は受付用紙に人数と名前を書き近くのソファーに座って席を案内されるのを待った。 「ココって普段こんなに混んでいるの? 」 「まあ夕飯時はたいてい混んでいるさそれより今日は少し遠慮してくれよな、俺も毎回高額な支払するのはウンザリだから」 俺は自分の財布の金が減るのが嫌いなため今日は美音に少し遠慮するように伝えるが美音はまるではしゃいでいる小学生の様にショーウインドウに展示されている期間限定スペシャルイチゴチョコパフェを見て騒いでいた。 そうこうしていると前回俺たちを物珍しそうに見ていた店員さんが案内してくれた。店員さんは俺たちを覚えていたようでチラチラと何度も見てきた。 それからしばらくすると 「あ~このパフェ最高だわ」 「おい少しは遠慮って言うものをしろよ」 俺がその言葉を発した途端俺の右足に激しい激痛が走った。美音は左足のつま先で勢いよく踏みつけたのだ。俺は美音の高圧的な態度に負けてしまいその後もスイーツを何度も注文し俺は空腹に耐えながらも水とミニサラダだけでこの日は我慢した。 「ありがとうございました」 「ヤバい新記録更新した」 俺はレジの液晶画面を見て唖然とした、期間限定のデザートのせいで2万を超えたからだ。 美音は満足そうな顔で家に向かうが俺は財布の中身を何度も爪を噛みながら確認した。 「明日から朝ごはん食べないようにしよう」 俺は一つ気になっていたことがあり帰り道で美音に聞いてみた 「そう言えば何で佐伯加奈たちの悪事を学校にばらさなかったんだ? 」 「どうせ私が言っても学校の奴らに怪しまれて信じてくれないでしょ? 」 「じゃあ俺が言えばよかったか? 」 「余計無理だわあなた友達いないし存在感ないし、悔しいけどあのブス女の方をみんな信用するでしょう? 」 俺は美音の鋭い指摘に複雑な気分だった。 その後俺たちはいつもの様にそれぞれの部屋に向かい就寝することにした。 今日はキチンと目覚ましをセットしていたのでいつも通り起床し学校に行く準備をしていた。いつもの様に美音が寝ている部屋に向かうとやはり抱き枕をギュッと抱きしめて気持ちよさそうに眠っていた。 「おい美音とりあえず学校行ってくるから5時には遅れるなよ」 「ふぁ~い分かってるわよ」 俺は不安を抱きながらも美音を一人残し学校へ向かった。授業中特に加奈からの嫌がらせを受けることなく無事この日の授業が終了した。 「さてそろそろ向かうか」 この日の俺はどこか心の中で余裕があった。何故なら昨日美音に2万以上も奢ってやったのだから高いボディーガードを雇ったつもりでいたからだ。 「2万円分しっかりと働いてもらうぜ」 俺は少し早めに現場近くに隠れてあの馬鹿共が来るのを待っていた。 「今日は遂にあの馬鹿共の命日だこの青葉未来様の力を見せつける日が来たのだ」 俺は誰もいない倉庫の広場で声高らかに言うと制服の襟を勢いよく引っ張られバランスを崩し地面に倒れこんでしまう。 「おい誰の命日だって? 」 俺が顔をあげるとそこには加奈と彼氏、そして色黒でドレッドヘアの見た目外国人かよ? と思わせるガラの悪い男が立っていた。 「今日は負けないぞ」 強がりを見せるが俺はいつもの様に奴らの気迫に負け全身震えながらまた指の爪を噛みだした 「きゃははこいつまた爪噛んでいるわ、こいつが爪噛むってことはかなりビビっている証拠だわ」 流石に加奈は俺の行動パターンを読んでおり言い返す言葉が出てこなかった。 「それよりあのブス女何処にいるの」 俺はある不安が脳義をよぎった。美音の奴はおそらくまだ眠っているのだと思った。俺はカバンから携帯を取り出し急いで自宅に電話をかけると 「はいはいもしもし」 「もしもしじゃねえよ今何時だと思ってるんだ」 「だって朝すごく苦手なんだもん」 俺はその言葉を聞いて唖然とした。確かにいつも配信は夜が多かったので現実世界の美音も同じように夜型になってしまっていたのだ 「とにかく早く来い俺が殺される」 すると加奈が俺の携帯を取り上げると 「早く来なさいこのブス女」 加奈が一方的に話し電話を切ってしまった。 「とりあえずあの女が来る前に試合の余興として俺がこいつをボコボコにしてやるか」 彼氏が俺の胸ぐらを勢いよく掴みかけた 「今日は容赦しねえからな」 「助けてくれ美音! 」 すると美音が後方から勢いよく俺を飛び越え彼氏の後頭部に自慢の回し蹴りを食らわした。俺は胸ぐらを掴まれていたため一緒に飛ばされ背中を強く地面に打ち付けた 「いててて少しは手加減しろよ」 「助けてもらって文句言うんじゃないわよ。それよりブスブス言いやがってもう許さないんだからこのヴゥスが」 美音は怒りを露わにしいつも以上に体内からから強力な電磁波を放出していた 「今日はしっかり充填したから容赦しないわよ」 すると彼氏が後方から水風船を背中にめがけて投げつけ美音の背中にベタついた液体が付着し更に加奈も続けて美音に向けて水風船を投げつけた 「何よこの液体気持ち悪いわね」 「これでお前は兄貴にやられる運命だ、兄貴後は頼んだぜ」 そう言い残し気絶してしまった。 「引っかかったわね頭の悪いブス、これはゴムの樹液よこれであなたの自慢のビリビリ攻撃は封じたわ」 美音が加奈の挑発を無視し放電をしようとするが 「マジ電撃が使えないわ」 すると兄貴がボキボキと手の音を鳴らせステップを踏みながら襲ってきた 「女だからって容赦しないぜ、弟の仇だ」 兄貴の目にもとまらぬ速さでパンチを繰り出してくる。美音も素早くよけながら回し蹴りを食らわせるが鍛えられた肉体には通用しなかった。 俺は爪を噛みながら美音が必死に戦っているのを見守るしかなかった。 「きゃははさすがのアナタもチャンピオンには敵わないわね」 「このままじゃやられてしまう」 俺は焦る気持ちを抑えながら策を練った 「そうだ! 」 俺はすぐさま現場を立ち去った その姿を見た美音が唖然としながら 「おい逃げるのかよ」 「さすが青葉未来だわあいつはキモいだけじゃなく本物のクズだわ」 加奈は高笑いしながら美音が苦戦する様を楽しんで見物していた。 それから5分後俺は近くの家からノートパソコンを借りてきた。俺は気持ちが焦り震える手を抑えながらパソコンの電源を入れ動画配信を始めた。 「皆さん今日は遂に美音が悪のDQN軍団の親玉との直接対決をしてます。奴らの卑劣な行為で美音がピンチになってます。どうか皆さんお願いですこの戦いをSNSで拡散してそして多くの方がチャンネル登録とGOODボタンを押して美音を応援してください」 俺はパソコンの前で土下座をしていた 「何よあいつ馬鹿じゃないの、さあもう終わりよ」 美音が足を捕られ地面に倒れこむと兄貴が右ストレートを繰り出した。 すると次の瞬間熱狂的なキモオタファンの力で拡散し一気に登録者数が上昇、美音の能力がアップした。 兄貴のパンチを片手で受け止拳を握りつぶした ボキボキボキ 「ぐわー」 「もう許さないわ今まで弱い奴からお金を巻き上げる最低野郎をお仕置きしてやるわ」 美音は目にもとまらぬ速さで強力なパンチを連打し兄貴は勢いよく吹き飛ばされノックダウン。 美音はおびえる加奈に近づくと加奈が震える手で分厚く膨らんだ封筒を渡してきた。 「ごめんなさいもう二度としないからこの事は誰にも言わないで、世間の評判が…… 」 「あなたどこまでも醜いブスね」 俺はそんな美音のやり取りをそのまま配信した。すると瞬く間にファンがSNSの力を使い加奈たちの悪事が拡散された。 その後加奈たちはSNSの情報を入手した警察が加奈たちを逮捕した。そしてこの事はマスコミなどがかぎつけ大ニュースになってしまい学校も退学になり奴らはどこか誰も知らない土地へ引っ越した。 こうして平和な日々が訪れたある日、この日はどうせ寝ていると思い美音を起こさず学校へ向かうとクラスの中では転校生が来ると言う噂で持ちきりだった。 そして担任の先生がクラスに入り 「今日は転校生を紹介します」 俺が何気に教室の扉に視線を向けると 「春風 美音ですよろしくお願いします。」 美音が教室に入るや否やクラスの男子から歓声が沸いた。俺はまさかの出来事に開いた口がふさがらずにいた 「マジかよ…… 」 こうして平和な? 学園生活が始まろうとしていた 完
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