俺の気持ちと、彼女の気持ち…

2/6
6518人が本棚に入れています
本棚を移動
/173ページ
車を走らせて直ぐに、優香からメッセージが届いた。 "凛太郎、今どこ?" おっ、優香だ。 あぁ〜運転中だけどな、パパッと送るか…。 "今、車で帰る途中!知り合いを送って行く。" ポチッと。 ちょっと説明不足だったか?もう送ってしまったから仕方ない…。 まぁ後で会うんだから、いいかな。 ピロロン♪ 麻里奈ちゃんのスマホが鳴った。 彼女も、素早く文字を打ち込んでいる。 ピロロン♪と、俺のスマホがメッセージを知らせる。 "私は8時頃にならないと終わらない。 じゃあ、またね。" よし、8時だな!その前に行かないと。 「麻里奈ちゃん、その後どう? 少しは落ち着いた? いや、そんな簡単なもんじゃねーよな。 事件が解決したって、心の傷はなかなか癒えないもんだよな、すまん。」 俺の言葉に麻里奈ちゃんが固まっている。 そして暫くしてから、ポツリと言った。 「毎晩、同じ夢を見るんです…、あの女の人の夢を。 私に向けられたナイフ…、中西さんが刺されたあの瞬間で…いつも目が覚めるんです。」 俺は真横にいる麻里奈ちゃんの、青ざめた顔をチラリと見た。 「麻里奈ちゃん?」 「あぁ、ゴメンなさい。 こんなこと言ったって、自分で乗り越えるしか無いですよね。誰にもまだ話してないんです。 優香も忙しそうだったから、まだ話せてないんですけど…。 なんで私、凛太郎さんにこんなこと言っちゃってるんだろ?気にしないでくださいね。 そのうち治まりますから、たぶん。」 そう言って弱々しく笑いながらも、気丈に振る舞おうとする彼女が痛々しかった。 彼女の心の傷の深さを、改めて知った気がした。 ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 運転中のスマホ操作は違反です。(>人<;) 絶対にマネしないでね!
/173ページ

最初のコメントを投稿しよう!