恋人たちのクリスマス

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私の左手の薬指。 一粒の美しいダイヤモンドがキラキラと輝きを放っている。 いつ? 昨夜から? 今の今まで、全く気づかなかった。 シンプルで品の良さを感じさせるデザイン、そして、素人目にもハイクオリティだと思わせるダイヤモンド。 きれい!知らず知らずに、目が釘付けになってしまう、私はそのダイヤを右手でそっと包み込んだ。 凛太郎の想いが、ここに溢れている。 じーんと胸が熱くなって、鼻の奥までツン!とした。 側に来た凛太郎に、思わず抱きついた。 「凛太郎!」 凛太郎は優しい眼差しで、私だけを見ている。 「俺と結婚しよう、優香。 俺は、いつか夢を叶える。 その夢は、優香がいないと叶わないからな。 俺の夢は優香と共にあることだ、ふたりで幸せになろう。」 「凛太郎、幸せ過ぎて…、もう、なんて言ったらいいのか…。」 「ふふっ、 返事は "はい" だ! それだけでいい。」 「はい…」 「うん、それでいい。泣くなよ、優香。」 「だって、凛太郎が…」 「俺の所為か?」 頷いた私の唇に、凛太郎の唇が重なった。 お互いに見つめ合って、微笑むふたり。 クリスマスの朝…、幸せが二人を甘く甘く、 包み込んでいた…。
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