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そして、もちろん麻里奈にも報告した。
麻里奈もやはり、自分のことのように喜んでくれた。
「優香、幸せになってね。
もちろん、凛太郎さんなら大丈夫だよね?
もう、溺愛されてるものね〜。」
「ありがとう、いろいろ心配かけたね?
だけど今は、本当に幸せだなって思ってるよ。
麻里奈にも、早く幸せになって欲しいと思ってるんだけど…、高木さんとはどうなの?」
麻里奈はにっこり笑って、
「うん、良い関係になれそうな気がしてる。」
「そっか、安心した! ねぇ、麻里奈?」
「ん?」
「ずっと前にさ、山村先生が奥さんと別れた話をしてくれたでしょ? 愛してるから別れたって話…。」
「あぁ、あの話?」
「私ね、あの時は全く理解出来なかったの。
だけど、凛太郎が私の為に、ニューヨークに行くのを諦めたんじゃないかって思った時、私が凛太郎と別れてでも、彼をニューヨークに行かせてあげたいって、そう思ったんだよね。
夢を私の為に諦めさせちゃダメだって!
別れるしかないかなって、愛してるから別れようって…。
あの時は、本気でそう考えてた。
だけど婚約した今は、絶対に離れないって思う。
好きな人は、私がが幸せにしてあげる!ぐらいの気持ちでいないとね?
だから、麻里奈もそうだよ。
遠慮なんかしないで、彼に飛び込みなよ。
高木さんならラガーマンらしく、ガシッと受け止めてくれるはずだよ。」
麻里奈は頷きながら、涙ぐんでいた。
ツライ経験をした彼女に、私が送るエール……、
しっかりと受け止めて欲しい。
そして翌年の6月、
私たち二人は、たくさんの人々の祝福を受けて、結婚式を執り行う運びとなった。
幸せいっぱいの二人の様子が、あまりにも微笑ましくて、周囲の人々の結婚願望が高まったとの噂も、まんざら嘘でも無いらしい。
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