幸せになろう

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カランコロン カランコロンと鳴り響く美しい鐘の音と共に、祝福の声が次々に飛び交う。 「おめでとう!」 「わぁ〜、きれい!」 「麻里奈、高木さん、おめでとう!」 「良平!麻里奈さん!おめでと〜」 とってもきれいだよ、麻里奈! 頑張ったね…、おめでとう。 高木さんと末永く、お幸せにね…。 少し涙ぐんだ私の後ろから、そっと声をかける愛しい人。 「俺の奥さん、遅くなってゴメンな。」 「凛太郎!間に合って良かった。」 背後から私をふわりと包み込んで、抱きしめてくれた。 凛太郎の爽やかなシトラスの香りに包まれると、心の底から安心する。 「優香、足元に気をつけろよ?」 ふふっ、アメリカに行ってから、レディーファーストが身についたのか、益々優しい凛太郎。 私を甘やかすのが趣味なんだと言う…。 麻里奈と高木さんが、私たちの前にやって来た。 「凛太郎さん、間に合ったのね! 遠いところ、ありがとうございます。」 「俺たちも、お二人みたいに仲の良い夫婦になりますからね。これからもよろしく!」 「おめでとうございます。 こちらこそよろしく、お幸せに!」 凛太郎と高木さんは、和かに握手をしていた。 その様子を見た麻里奈と私は、感極まって泣いてしまった。 それをオロオロしながら見守る、男性二人。 ずっとずっと、二人で力を合わせて生きて行こうね。 ツライ時も苦しい時も、私たちはひとりじゃない。 そして、喜びも悲しみも二人で分かち合おう。 悲しみは半分に、きっと喜びは何倍にもなるだろうね。 あなたとふたりなら… ううん、もうすぐ三人になる…。 喧嘩したり、怒ったり、泣いたり笑ったり…、 そんな場面を、何度も何度も通り過ぎて。 凛太郎…、好きとか嫌いとか、そんなレベルじゃない…。 今ではもうすっかり、あなたを愛してる…。 end
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