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ちょうどその時、スマホが着信を知らせた。
誰?
画面には知らない番号。
「はい、冴木です。」
『あぁ、優香?俺、坂崎凛太郎。』
「り、凛太郎?」
『おお、呼び捨てか!
まぁ、一夜を共にした間柄だからな。』
「いやいや、誤解を招く言い方しないでください! でも、今日はありがとうございました。
それと、藤川さんなんですけど…。」
『あー、藤川が謝ってたよ。
仕事中だったのに申し訳なかったって。
話してる途中に、優香だって気付いたみたいだったからな。』
「そうでしたか、こちらこそゴメンなさい。」
『女は化粧で化けるからな。優香も金曜の夜は、派手なメイクに流行りの服なんか着てたからさ、かなり遊んでるタイプの女かと思ったよ、最初はな。』
「あの日は、いろいろあったんで…。」
『らしいな。』
へ?何か知ってるのか?
「な、何ですか!」
『居酒屋で優香が自分から喋ったんだろ?覚えてねーの?』
てか、凛太郎!喋り方違い過ぎでしょ?
『同じ会社の同じ部署に元カレとか、キツいよなぁ? しかも自分を振った相手なら尚更だよな。』
なんでそんなことまで喋ったんだ、私!
思わず、頭を抱えた。
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