好きとか嫌いとか

元カレは過去だから

とりあえず、麻里奈に相談しよう。

そして、私は麻里奈に全てを話したわけなんだけど…。

「へ〜っ、そんなことがねぇ…。」

「麻里奈、私は凛太郎の噂について知りたいって思うんだけど…。」

麻里奈が私を睨む。

「その理由は、まさか好奇心からじゃないよね？あんた、好きな男より噂を信じるの？」

麻里奈の強い目力に、私は一瞬怯んだ。

「信じるって言えるほど知らないもん、凛太郎のこと。」

「じゃあ、知れば？」

「そんな、簡単じゃないって！それと、好きとか言わないでよ。」

「簡単よ？　好きか嫌いか、つき合うかつき合わないか、あんたの気持ちしだいだよ。
だいたいさ、イケメンがダメだとか、自分に理由をつけてブレーキかけてること自体が"私は坂崎凛太郎が好きです！"って言ってるようなもんだよ。」

頭をガーンって殴られた気分だった。
そして麻里奈の冷静な分析に感心すると同時に、自分の不甲斐なさが情けなかった。
もっといろいろ頑張って魅力的な女性になるって言った自分が、遠い昔のことのようだった。
こんなウジウジした女なんて、なりたかった自分じゃない。
私、しっかりしろよ！