俺って、最低?

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それから、俺は留守中の仕事の進行具合をチェックし、藤川から報告を受けた。 近頃、デザインの発注が急増して、俺達は多忙を極めている。 この男、藤川拓也とは大学の同級生で長年の腐れ縁。 こいつは一見、エリート銀行員のような風貌をしているが、仕事以外に関して言えば驚くほど緩い男だ。 二人で一緒に飲みに行けば、俺の方が遊び人に見られがちだが、実際は藤川の方が間違いなく遊んでいるというのが事実だ。 だがしかし、こいつの天性の営業センスは眼を見張るものがあり、俺はこいつの営業力に一目置いている。 「藤川、今日はこれぐらいにしとくか?」 「あぁ、益々、忙しくなって来たなぁ。」 「おお、おまえのおかげでな〜」 藤川は嬉しそうに笑った。 「そういや、凛太郎!あの彼女、優香さんとはその後どうなんだよ?」 「どうもしねーよ…」 「は?グズグズしてんな!俺が行っちゃうぞ? タイプだよ、ああいうのも!地味そうに見えて…なかなか。 オフィスでの彼女も好きだなぁ〜。」 妙な妄想を繰り広げていそうな藤川の頭を、俺はペシっと叩いた。 「いでぇっ!何すんだよ〜!」 「アホなことばっか、言ってるからだ!ほれ、そろそろ帰れば?」 「なぁ凛太郎、飲みに行かねぇ?」 「また、7(セブン)か?」 「そっ!凛太郎も行こうぜ!結構いい店なんだって!」 また、チャラい奴が集まってるんじゃないかと思って、俺は藤川の行きつけの店Bar(セブン)には行ったことがなかった。 まっ、そのうち覗いてみるか? 「おお、そのうちな?今日はやめとく。」 ひとりオフィスに残った俺は、いつの間にか優香のことを考えていた。
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