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俺は今、焦っている。
優香に会いに行こうと決めた俺は、彼女のアパートに向かうことにした。
オフィスの戸締りをして外に出た途端に、綾に捕まった。
一晩泊めろって?
いくら、俺が無理だと言っても諦めやしねぇし、どんどんついて来やがって。
そうこうしてるうちに、優香からの着信だ。
うかつに綾の前で電話に出るわけにもいかずに…、現在に至る。
「綾、今夜はここに泊まってもいいけど、明日は帰れよ?」
「わ〜、ありがとう!凛くん。」
「じゃ俺、行くから。」
「ええ〜っ、なんで!私も一緒に行く〜。」
綾は状況を掴めていないようだ。
俺、自ら誤解を招くようなことはしねーから。
「ふんっ、邪魔だ。
子どもは寝てろ〜、鍵はポストに入れとけよ。俺は他所に泊まるから、じゃあな。」
ドアを開けた頃に大声で叫んでたけど、関係ねーよ。
とにかく優香に、早く電話しないとな。
プルルルプルルル……。
出ねぇー。
タイミング悪りいなぁ〜、俺。
何度もコールしたが、やっぱ出ねーわ。
仕方なく藤川に電話して、今晩の寝床を確保した。
ヤツはまだ、Bar7で飲んでいたが、事情を話すと直ぐに帰ると言ってくれた。
それにしても、優香が気になるんだが、
優香、早く出ろよ…。
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