6518人が本棚に入れています
本棚を移動
/173ページ
私は麻里奈を叩き起こし、寝ているもう一人の男性はスルーして、凛太郎に再び挨拶をして速やかに部屋を出て行った。
「あーびっくりしたよ、目が覚めたら知らない男の人の部屋なんて!」
「へっ?優香、覚えてないの?
昨夜は結構、あんたも盛り上がってたじゃないの?」
「うそ?」
「私は覚えてるよ、イケメン二人。
凛太郎さんと、拓也さん。
凛太郎さんにさ、酔ったふりして近づいてみたんだけど、飲み過ぎだよって追い払われちゃったのよ。
その後にさ、私も酔っちゃってさ。
だけどその後、凛太郎さんが優香を送って行くって言ってたんだよ。
ずるい〜優香ばっかり〜、このヤロ〜!」
はっ?私は関係ないでしょ?
それに私、もう凛太郎に会うことも無いよ。
麻里奈だって、そんなこと言ってる割りに本気じゃないのは知っている。
「何言ってんの!私は関係ないわよ。」
そう、もう会うこと無い。
それにイケメン過ぎてダメ。
今度つき合う人は、イケメンじゃなくていいから、笑顔が素敵な優しい人。
私だけを見てくれて、よそ見しない人がいい。
凛太郎みたいなタイプは、女がたくさん群がってきて大変そうだ。
私は25歳。
そろそろ結婚について考えて、出来れば26には結婚したいと思っていた。
だから、元彼の行動が余計に腹立たしかった。
今は、当分結婚なんてないと思うけど、良い恋がしてみたい。
そして、いつか自然な形で愛する人と結ばれたいと、心から願っている。
一生一緒に暮らして行くんだから、外見とかお金とかじゃなくて、中身が大事。
お金持ちじゃなくても、借金が無くて真面目に働く人なら問題無し。
二人で働いたらいいんだし。
ただ、女性関係がだらしないとか、モラハラとかは絶対にダメ。
元彼の健斗は、まぁまぁのイケメンだったけど、二股かける最低男だった。
私の中で、既にイケメンは除外だ。
こうすれば、ハードルは低くなった気はする。
しかし、内面重視と言っても…。
最初から内面なんて分からないからなぁ。
どうやって見分けるかが問題だ。
ちゃんと見分けられる、魔法の眼鏡が欲しい。
最初のコメントを投稿しよう!