6514人が本棚に入れています
本棚を移動
/173ページ
恋
「ね〜、凛太郎!
麻里奈の好きな人って、誰だと思う?」
「高木さんかな?いや、やっぱ市川課長かな〜?」
「ああ? 隆さんは無いだろ?
だいたい、基本的に接点がないよ。
高木さんじゃねーの? 優香が前にそんなこと言ってなかったっけ?
てか、麻里奈ちゃん休職中だよな。」
うーん、高木さんには興味なさそうなんだよね…。
「あぁ、お菓子教室の人とか?」
「男で、お菓子教室? いるのかよ?」
いたっけ?
「聞けば良いんじゃね?麻里奈ちゃんに。」
「それがさ、秘密!なんだって〜」
「ふーん、じゃあ医者とかは?」
医者? 山村先生?
「山村先生って良い人だけど、横山課長と同じ40歳だよ?バツイチだし!15歳歳上だよ?無い無い!」
「うちの姉ちゃんの旦那、15歳上だぜ?」
あっ、葉月さん!そうだった…。
でも、担当医と患者ってどうなんだろうね?
こういうの何て言ったっけ?
陽性転移? 転移性恋愛?
特に精神科医は、治療中の患者との恋愛はタブーだよね?
だから、麻里奈は告白しないって言ってるのかな?あぁ、麻里奈〜。
いったい、誰なんだ〜!
ころころ変わる私の表情を見た凛太郎が、
「優香、いいか!相談されてないんだからな? 下手に顔突っ込むんじゃないぞ?
相談されてから考えろよ。」
とクギを刺された。
最近では、凛太郎も私の性格を把握したようで…、いろいろ助言されたり、注意されたりしている。
ようやく、ここに来て仕事も恋も順調だった。
最初のコメントを投稿しよう!