恋人たちのクリスマス

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ピロロン♪ "すまん、優香。 少し遅くなる、ゴメンな!" うーん、仕方ないよね。 "大丈夫だよ、待ってる。お仕事、頑張って!" はぁっ、早く帰って来て欲しいな。 凛太郎の仕事も、クライアントの都合に左右される仕事だから仕方ないんだ。 だけど、今日はクリスマスイブなのに…。 きっとクライアントは、おじさんだよね? 恋人たちの邪魔しないで…。 私が家に帰って来たのは7時前、凛太郎からの連絡は7時過ぎ。 今はもう9時半だ、遅いなぁ〜。 ピロロン♪ "悪りい、まだ帰れそうにない。先に飯食ってて、ゴメン!" マジで…。 あんなに頑張ったのに〜、もう泣きたい。 今頃、麻里奈は高木さんと、楽しいクリスマスイブを過ごしてるんだろうな、いいな…。 凛太郎の為に作ったローストビーフ、とても一人で食べる気になんてなれなくて…。 ワイン、飲んじゃう?ちょっとお高いワインなんだ。二本も買ったんだから、少しぐらい飲んでも大丈夫だ。 コルクを抜いて、トクトクトクッと良い音をたてて、赤ワインをグラスに注いだ。 正直なところ、ワインの味なんて分からないんだけど、なんだか美味しそうな予感がしてくる。 ちょっとひと口、ゴクリ! わぁ〜、さすがに美味しいじゃないの〜、へへっ、もう一杯頂きましょうかね…。 ちびちび飲んだはずのワイン…、もう空っぽ? 誰が飲んだのよ〜、もうっ! あぁ〜、酔ったかもしれない。 だって、すっごい良い気分だよ〜! 凛太郎、まだかな?もう眠いよ…
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