プロポーズ、その後は

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プロポーズ、その後は

「ねぇ、凛太郎? もしかして、この指輪のデザインって?」 「あぁ、俺!もちろん俺がデザインした。」 「やっぱり、そうなんだ! すっごく、素敵!見惚れちゃったもの、私。」 「喜んでくれて、俺も嬉しいよ。 本当は昨日、渡すつもりだったんだけどな。 遅く帰ったから、優香は寝ちまってただろ? でも、どうしても優香の指に嵌めてみたくなってさ。 すっげぇー似合ってたから、もう外すのやめたんだ。 今朝、ローストビーフ食べてる時も、ずっとしてたのに全然、気づかねぇのな?」 「ふふっ、そうだったの〜? ありがとう。」   「いろいろあったな、俺たちも…。」 「うん、あったね〜。 だけど、まわりの皆んなに助けられたね。 藤川さんも心配してたよ、凛太郎のこと。良い友達だよね。 私でいうと、麻里奈みたいな存在?」 「ああ、そうだな。だから、礼はしといたよ。 ありがとうって、そしたらヤツからもお返しとか貰った…、痛かったけど…。」 「へっ、痛い?」  「いや、何でもない…。」 こんな会話があった翌日、 私は会社で藤川さんに会って、彼の頬の青アザを見た瞬間、全てを察してしまった。 だけど藤川さんは、 「優香さん、おめでとう!凛太郎から聞いたよ。 いろいろ悪かったね?凛太郎に怒られたよ。 あいつは優香さんのことになると、ムキになるから面白いんだ。愛されてるね、本当に。 いつかニューヨーク、一緒に行ってやって!」 「藤川さん、ありがとうございます。 これからも凛太郎のこと、宜しくお願いしますね。」 「もちろん!」 藤川さんは、爽やかな笑顔を残して去って行った。
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