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俺って、最低?
「何、落ち込んでんだよ?凛太郎。」
藤川が俺に問いかけるが、返事するのも億劫だった。
かわりに、はぁーっ!と溜息を吐いた。
そんな俺を見て、藤川がせせら笑う。
「凛太郎、恋の悩みか?」
そう言って俺を見る藤川のニヤケ顔が鬱陶しい。
「うるせ〜、黙れ。」
俺は自己嫌悪に陥っている、これが嫉妬なんだと今更ながら実感している。
優香に早く会いたくて、出張先から1日早く帰った俺は優香の為に買った土産を持って、いそいそと彼女のアパートに向かった。
そして、優香をあの男が抱きしめているのを見た瞬間、体中の血が沸騰するんじゃないかと思うぐらい、俺は激しく動揺した。
頭に血がのぼった俺は優香に電話して、あろうことか怒りの矛先を優香に向けてしまった。
いまだかつて、これ程まで自分を見失ったことがあっただろうか?
優香はあいつとヨリを戻したのだろうか?と、気になり始め、そのことで俺の頭はいっぱいになった。
ああぁ〜っ、くそっ!
そして今、俺は猛烈に反省している。
優香、おまえ!俺を一体どうしたいんだ。
この責任は、取ってもらわないとな…。
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