朝チュン!?

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朝チュン!?

見知らぬ場所で目を覚ました。 こんな経験、初めてだよ。 朝チュン? なんて甘いものじゃなく、隣に麻里奈が寝ている。 少し離れた場所に見知らぬ男が一人、 その隣の大きなベッドに、男がまた一人、 彼がおそらく、ここの住人に間違いないだろう。 一人だったら間違いなく、トンズラしているだろうけど、麻里奈を置いては帰れない。 いや、むしろ礼を言わなければならないのか? 麻里奈を静かに揺さぶってみたけど、起きる気配は無い。 マズイな…。 やがて、 ベッドの男が起き上がり、目が合った。 瞬間、正座した私は頭を下げた。 「すみません!ご迷惑をおかけしました。 昨夜はどうかしてました! 見ず知らずの方に、ご迷惑をおかけしちゃって本当にごめんなさい。」 と正座して謝罪した。 男は、ニヤリと笑って言った。 「いいよ、別に。 だけどな、女なんだから…、 これから気をつけなきゃ、危ないぞ?」 ですよね? 「申し訳ない。」 ペコリと頭を下げて項垂れた。 「ぷっ!あんた、おもしろいな。」 「俺は、坂崎凛太郎。あんたは名前なんて言ったっけ?」 「わ、私は、冴木優香です。」 凛太郎は、ニンマリ笑って、 「優香か、 いい名前だな、あんたに似合ってるよ。」 そう言って凛太郎は、今度は優しく笑った。 「ほんと、すみません! こんな状況、初めてなんで!いや、本当に! どうしたらいいのか分からないんです。」 嫌な汗がドッと吹き出した気がする。
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