恋と仕事

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恋と仕事

月曜日、今日の私は気合い十分だ。 同じ部署に元彼がいたって、へっちゃらだ。 なわけない!すっごい嫌に決まってる…。 だけど別れたら、ただの同僚の今井、 そう思うことにしたんだ! 「おはよう、麻里奈!」 「あぁ、優香、おはよう。大丈夫?」 麻里奈は心配そうに聞いてきた。 「もちろん!ノープロブレム。」 麻里奈がニヤリと笑った。 私たちの部署は、販売促進部。 まぁ、裏方だよね。 商品を売るためのサポート的な部署。 様々な販促活動を行なう。 キャンペーンを考えたり、いろんなリサーチをしたり、ノベルティーの考案をするのが私達の仕事だ。 元彼の健斗は、販売促進部ではなく花形部署である営業部や、海外事業部への異動を毎年希望していたが…。 早く、どこか行っちゃえ! そんなことを思いながら、仕事についた。 横山課長が私を呼ぶ声がした。 「冴木、ちょっといい?」 「はい」 「次のキャンペーンのノベルティーなんだけど、君の出した案で行きたいと思う。 詳細を詰めたいんだけど、もう少し具体的になると更にいいんだけど、販促会議までに具体的にまとめられるかな?」 「は、はい!もちろんです。頑張ります!」 課長も嬉しそうに笑って、私に書類を渡した。 やったよ!初めてだよ、採用されたの! いい風が吹いてる〜! この調子で頑張ろうっと。 チラリと麻里奈を見ると、グッジョブ!とばかりに親指を立てていた。 課のみんなからも、 「やったな〜!頑張れ!」 「応援してるぞ〜」 「分からないこと、聞いてね。」 などと励まされたが、視線は感じたけど今井からは何の言葉もなかった。 まぁ、元カノの活躍なんてどうでもいいってことだよね。 ちっちぇ〜やつだ。 ふんっ!
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